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牧草+トウモロコシ、極早生トウモロコシは多様な可能性がありそうです

JOURNAL 2024.07.02

泉 賢一

泉 賢一Kenichi Izumi

酪農学園大のデントコーン

 飼料用トウモロコシ、いわゆるデントコーンの早晩生は「相対熟度」といって日数で表すのが一般的です。収穫までの日数を85日とか120日などの日数で表します。相対熟度の日数が増えるほど収穫までの日数が延び、そのぶん草丈も高くなるので収量が増えます。

 酪農大の位置する江別市は道央地区といって、北海道の中でも比較的暖かい地域になります。本学ではこれまで中生種の100日タイプを使っていました。ですが昨今の猛暑を考慮して、今期から105日と110日の晩生タイプに切り替えました。これによって収量増加が期待されます。

超極早生トウモロコシ

 一方で、相対熟度60日という超極早生トウモロコシ「ハヤミノルド」という品種が、近年登場しました(https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/kind-pamph/161669.html)。国の研究機関である北海道農業研究センターからお声がけいただき、本学でも栽培に取り組むことになりました。播種から3カ月で収穫できるという「ハヤミノルド」の特性を活かし、オーチャードグラスの収穫後に播種する計画を立てました。本学ではオーチャードグラスを5月31日に収穫して、その後すぐに畑を耕起・整地して6月8日に「ハヤミノルド」の播種を終えました。

 一般に牧草地からトウモロコシ畑に切り替えるには、前の年の秋にすべての収穫を終えてからプラウで耕起して冬を越し、翌春にトウモロコシを播種します。しかし超極早生種を組み合わせると、一番草を収穫した直後にトウモロコシを播種することができます。北海道ではこれまで考えにくかった、単年度での二毛作が可能になるというわけです。1枚の圃場から、栄養価の高い早刈り一番草と、収量とデンプンが期待できるトウモロコシを収穫できるのは、牧場にしてみると「おいしい」使用法になります。

 私が普段お世話になっている由仁町の三谷牧場さんは、さらに一歩進んだ取り組みをしています。一番草収穫後に超極早生トウモロコシを播種するのは本学と同じですが、なんと牧草地を不耕起でトウモロコシを直播していました。

 畝の目安がないためGPS付きのトラクターを用いた播種作業でした。牧場主の三谷さんはバンカーサイロに雪を貯蔵して牛舎を冷却する仕組みを考案したように(Dairy Japan2023年5月号)、アイデアに溢れ行動力のある酪農家です。播種後に除草剤処理をするとのことですが、発芽の状況を確認しに行くのが今から楽しみです。

PROFILE/ 筆者プロフィール

泉 賢一

泉 賢一Kenichi Izumi

1971年、札幌市のラーメン屋に産まれる。北大の畜産学科で草から畜産物を生産する反芻動物のロマンに魅了される。現在、農食環境学群循環農学類ルミノロジー研究室教授。2023年より酪農学園フィールド教育研究センター長。専門はルーメンを健康にする飼養管理。癒やしの時間はカミサンとの晩酌。

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