みんなのブログ

「子牛セミナー」を開催しました!

JOURNAL 2025.08.05

宮島 吉範

宮島 吉範Yoshinori Miyajima

皆様お仕事お疲れさまです。あかばね動物クリニックの宮島です。

先日7月1日にあかばね動物クリニック主催で「子牛の飼養管理セミナー」を開催しました。以前からセミナーを開催したいと考えていましたが、ずっとやらずにいた自分にきっかけを与えてくれたのは一枚のスライドでした。

後輩獣医師が、子牛の出荷成績が良い農場の取り組みを紹介してくれたスライドの中に、乳首がたくさん並べてある写真がありました(写真1)。
 「これは一体なんですか?」と尋ねたところ、その農場で過去から現在まで使用している哺乳用乳首とのことでした。「こんなに多数の乳首があるのか!」と驚くとともに、このように多数の乳首がある理由を教えてもらいました。

その酪農家の方の先代が哺乳をしていた時代には、写真右下の乳首を使用して飲ませていたそうです。その乳首は、この写真では見えないのですが、乳頭口は大きく「×」の形で切られていて、それはそれは速いスピードでミルクを飲ませることができたそうですが、しょっちゅう誤嚥や、誤嚥までいかなくても、喉がゴロゴロして調子を崩す牛が多かったとのことです。
 その方法に疑問を感じ、先輩酪農家さんや自分でネット検索をするなどして「良い哺乳方法」「その子牛にあった乳首」「誤嚥をさせたくない乳首」を求めていたら、こんなにたくさんのアイテムを揃えるようになったそうです。

写真を見て、その説明を聞いた瞬間、「この酪農家さんの想いを皆で共有したい!」という強い気持ちが湧き上がりました。その日のうちに開催日を決定し、会場をおさえ、スポンサーを探し、懇親会場予約など、自分でも驚くほどの勢いでセミナー開催まで猛進しました。人を動かすのには「想い」が大事ですね。

そこで、ほかにも素晴らしい子牛を生産している農家さんにもお願いし、さらに基本的なことをもう一度おさらいしたい、という想いから下記のようなセミナーを実施しました。司会は自分です。勉強会を盛り上げるか否かは司会にかかっています。

次回からは、そのセミナーでのお話を中心に、子牛のあれこれについて書いていきたいと思います。

第1回 あかばね動物クリニック主催 子牛の飼養管理セミナー

①子牛の飼育管理のポイント~免疫力を高めるために~
 有限会社あかばね動物クリニック 浦本右文
②現場が主導する改善活動~朝霧メイプルファームの初乳マニュアルを例に~
 朝霧メイプルファーム有限会社 長谷川育江
③元気な子牛を育てたい~気持ちに寄り添う哺乳の話~
 橋本牧場 橋本正江

写真 たくさんの種類の乳首。右下が「恐ろしの乳首」と呼ばれている、ミルクがたくさん出すぎる乳首

PROFILE/ 筆者プロフィール

宮島 吉範

宮島 吉範Yoshinori Miyajima

千葉県の一般家庭に生まれる。麻布大学 栄養学研究室を卒業後(有)あかばね動物クリニックに入社し獣医師として25年。現在は、乳牛・肥育牛(主に交雑種)・繁殖和牛を担当する。乳牛においては診療・繁殖検診・搾乳立会・人工授精・受精卵移植・コンサルティングなどを行なう。趣味は妻との居酒屋や蕎麦屋巡り。

RELATED/ 関連記事

記事についてのお問い合わせ

error: クリックできません!