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増改築による搾乳ロボットVMS™導入、うまくいく?いかない?成功への必須要件

PICK UP 2024.06.27

 今回は、現在大きな向かい風となっている建築コスト高騰を受け、牛舎の一部として搾乳ロボットVMSTMが存在し、牛達に最上のアニマルウェルフェアを、また人間に過酷な搾乳作業からの解放と時間の融通をもたらしてきた「ボランタリミルキング(牛が自らの意思で訪問すること)」のシステム導入に際し、一つの可能性として「増改築による導入プラン」を考察します。
 増改築での導入はフリーストール、あるいはフリーバーンであれば、その障壁は低いと言えるでしょう。

牛の流れ(動線)の違い

 搾乳ロボットVMSTMによる搾乳では、牛達の流れ(動線)に対する考え方の違いにより、大きく分けて以下の2種類のレイアウトを推奨しています。

①牛の行動に制限をかけない「自由意思による導線」

②訪問時の状態により、VMSTM前や採食環境へその行動に優先順位を設ける「誘導型の導線」という選択肢です。
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 「誘導型の導線」では、選別ゲートの設置や振り分け経路、待機スペースの必要性などから新築による構築が望ましいです。しかし、必ずしも新築でなければ導入が難しいということではありません。

 今回は、「自由意思による導線」を中心に、VMSTMの導入、そして導入後に適切な「効果」を得るための必須要件や許容範囲について触れていきます。

フリーカウトラフィック

 「自由意思による導線」は、一般的に「フリーカウトラフィック」と呼ばれ、基本的に搾乳・採食・飲水・休息などに一切制限を設けないレイアウトを言います。理想とされるのは
①VMSTMや給水機付近、採食通路・横断通路に十分なスペースを設けること
②牛床や通路の段差を最小限にすること
などが必須とされます。

 しかし、当然既存の牛舎ではこれらを網羅することは容易ではありません。ただし増改築においても理想を満たす条件以上に求められるのは、ごく単純に表現すれば「弱い牛を強い牛から守る」ということです。スペースや段差への配慮はこれを具現化したものと言えます。増改築でのVMSTM導入でも、この点に留意したプランニングが欠かせません。

個体間の序列による干渉を最小限にとどめるために重要な要件

 VMSTM近辺にフラットで十分なスペースを確保する配慮は、VMSTM近辺が牛達にとって安全かつストレスフリーな環境であるためです。

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 既存施設にVMSTMを設置する場合、VMSTM室を新たに足し増すことから、一から施設デザインを作りこむため最も融通が効く部分でもあります。

 一見無駄に思える「スペース=広さ」こそ、増改築でのVMSTM導入のキーポイントです。広くて見通しの良い環境は、「序列に生きる動物=牛達」に放牧地のような安心感を与えるのです。

 「増改築」+「自由意思による導線」では、「放牧地=安全・安心」以外に、VMSTMが牛達にとって「魅力的な場所」と感じる理由作りが大切です。

 広義では、この「魅力」は「誘導型の導線」においても非常に有効なVMSTM訪問の根拠となります。

VMS™が牛にとって魅力的な場所であるために必要な要件

 それは「エサ=採食」です。では、牛達はどこで採食行動を行なうことができるでしょうか? VMSTMを導入した牛舎においては新築・増改築を問わず「飼槽での採食」、あるいは「VMSTM内での濃厚飼料給与」の2系統のみ可能であり、飼槽採食のエネルギー量を低く抑え、VMSTM内で不足を補う(部分的混合飼料給与=PMR)ことで、どの牛にとってもVMSTMが魅力的な存在になります。

放牧地のように安全で、美味しい餌が食べられる場所

 これ以上に、牛がVMSTM訪問のモチベーションを高める理由があるでしょうか?

 完璧には整わない牛舎環境下であっても、その導入メリットを最大限に生かす重要なファクター=「やり方」は興味深く、言い換えれば、稼働率や生産実績において「VMSTM(エサ)にモチベーションがあれば新築・増改築を問わない」と言えるでしょう。

 増改築導入プランでは、この基本的な概念を抑えたうえで「現状からどこまで何ができるか?」を軸に、「VMSTM室の位置は?」「VMSTM前の面積は?」「除糞はどうするの?」「給水機は?」「牛床数は足りているか?」「待機エリアは必要?」「処理室も新たに増設?」など、多くの内容に関してプランを練っていくことが求められます。

 しかし、[最大限のVMSTM室と処理室の増改築、糞尿機器への対応]は最も望ましいですが、条件が整えば[最小限=VMSTM室のみ増設]での導入を可能にし、高騰する建築費用を極力低く抑えられます。そしてVMS™の能力を最大限に引き出すことは、想像するよりも難しいことでないと言えます。

 搾乳施設において、VMSTMとほかの搾乳施設との大きな違いは、VMSTMは基本的に「完成品」だということです。多くの工事と組み立て作業を要するほかの施設に対して、VMSTMは最小限の増改築による設置が可能です。それは、仮に経年劣化の激しい牛舎であっても最小コストによるVMSTM導入に大きな可能性をもたらし、数年後に新築が叶えば移設への対応も容易です。

 次回の投稿では、実例や平面図などを交えて、いくつかの留意点についてのお話をします。

お楽しみに!

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PROFILE/ 企業プロフィール

デラバル株式会社

デラバル株式会社

創立から140年を超えた歴史ある酪農関連機器メーカーです。スウェーデンに本社を構え、持続可能な酪農業と食料生産への貢献を目指し、搾乳ロボットVMS™V300をはじめとする環境負荷への影響に配慮した製品開発と提案、アフターサービスを提供しています。