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晴れた日に収穫し、酪酸臭がしない高品質なグラスサイレージを作ろう!
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今年も牧草の収穫シーズンがやってきました。皆様準備万端整っていますでしょうか? グラスサイレージの品質は、酪農場の一年間の経営を左右する大きな要因です。今回の記事では、バンカーサイロを用いてグラスサイレージを調製する際の、重要なポイントについてご紹介いたします。
計画を立てる
高品質なサイレージを作るためには、収穫前から戦略的に計画を立てることが肝要です。まずは農場の飼料設計担当者とよく相談し、今季のサイレージに求める品質と収量の基準を決定しましょう。その後は圃場の牧草の状態を観察し、おおよその刈り取り時期を決定します。天候に合わせて柔軟に対応できるよう、できる限り余裕を持たせたいところです。
収穫前
詰め込みを行なうバンカーサイロを準備します。前回に調製したサイレージがサイロに残留していると、そこに付着している好ましくない微生物によって、新しいサイレージが汚染される恐れがあります。これを防ぐために、バンカーサイロはサイレージ調製前に高圧洗浄機できれいに清掃します。サイロにヒビや穴がないかも確認し、必要であれば補修を行ないます。最終的にはビニールシートでサイロの壁面をカバーします。
サイレージ調製材の使用
農場の課題に合わせてサイレージ調製材の使用を検討しましょう。ラレマンドバイオテック株式会社では、牧草用に次の2種類の乳酸菌配合のサイレージ調製材をご用意しています。
しかしサイレージ調製材は魔法の粉ではないため、適切な管理を行なったうえで添加することが必要です。とくに高品質なグラスサイレージを作るためには、原料牧草の乾物率がとても大切です。高水分の牧草は、酪酸発酵による腐敗が起きやすくなります。これを避けるためには、天候の良い日に収穫し、予乾することによって、できる限り乾物率を25から30%まで高めることが大切です。原料草の乾物率が20%以下になると、もはや乳酸菌の添加だけで酪酸発酵を防ぐことは難しくなります。
収穫
イネ科牧草の場合、刈り取りの高さは6から7cmがお奨めです。しかしチモシーの場合、新しい分枝を守るために、刈り取り高を10cm以上に保つと草地を長く維持できるとされています(釧路農業改良普及センター釧路東部支所, 2021)。イネ科牧草の切断長は9mmから5cmの間で、原料牧草の乾物率が高いほど短くします。
アルファルファの場合、お奨めの刈り取り高は8から10 cmで、切断長は3.5から4 cmです。
バンカーサイロへの詰め込み
原料牧草をバンカーに詰める際には、15から20cmずつの薄い層のスロープを重ねていきます。
バンカーサイロの踏圧
十分な重さのトラクターで踏圧を行ない、サイロ1立方m当たりに原料牧草を最低でも乾物で240kg詰めることを目指します。十分な圧縮を行なうために、原料牧草の詰め込みはサイロ壁面の高さから50cmを超えないようにします。一般に1番草の踏圧係数((運搬原料牧草の総容積)÷(踏圧後の原料牧草総容積))は2.0以上、2番草は2.3以上と言われていますが、切断長同様、水分含量により変える必要があります。
密閉
バンカーサイロに原料牧草をしっかりと詰め込んだ後は、新しい高品質なビニールシートを用いて確実に密閉します。できれば酸素を通さない機能を有するビニールシートを用いるのが好ましいです。そしてサイロの最上層には、害獣除けのネットと重石を敷きましょう。しっかりと密閉するためには、タイヤではなく、細長い砂利袋を四角形を作るように並べ、空気の侵入を止める方法が最良です。
おわりに
管理する草地面積が広大である場合や、ハーベスターのやりくりのために、どうしても雨天時の収穫が避けられないこともあると思います。地球温暖化による気候変動が見られる今、長い目で見ると梅雨時の収穫を避けることができる草種に変更することも一つの案かもしれません。
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