らくちっくラジオの寺内です。
今回は「遺伝改良にお金をかけるのは良い投資なのか?」 の疑問に答えます。
この記事では以下の2点を理解してもらうことを目指します。
- 遺伝改良は長期的に投資効果が高いこと。
- 牛群改良は生産量の向上とロスの削減の両輪で収益性を高めること。
複利のように利益を積み上げる遺伝改良
牛群の改良は、資産形成における投資に似た側面があります。「お金」と「時間」のかけ算によって、より楽に利益を大きくすることが「複利」のように経営に良い影響を与えるからです。遺伝改良にはお金がかかりますが、改良された牛群は、その先ずっと飼いやすさや高い生産性の恩恵が続いていきます。
したがって、いま投資するお金があるなら、遺伝改良を進めたほうが良いでしょう。お金をかけずにゆっくり改良することを選べば、目先の出費を減らせますが、生涯収益は小さくなるので機会損失になる可能性があります。
以下は、遺伝改良の投資効果について、精液の値段を奮発した場合の簡単な投資回収イメージです。

遺伝改良投資イメージ
これがOPUによる受精卵移植を利用した遺伝改良戦略になると、投資コストがもう少し大きくなり、リターンは跳ね上がるイメージです。
さらに上図の乳代売上げ以外にも、ロスをなくす効果が経営に大きく影響してきます。
飼料効率の向上は、牛の体格と関連する場合が多く、1日の採食量が減るというより、食べたぶんが体の維持ではなく、乳量に反映されやすくなるというイメージです。
また繁殖成績の改善は、平均乳量向上や受胎コスト削減、疾病予防にもつながります。乳質の改善は体細胞数および生乳廃棄を減らします。総合的な改良は、多様な面から収益性に貢献します。

実際の牛群の改良は、全頭の能力が上がるというよりも、足を引っ張る牛が生まれにくくなっていくと考えたほうが近い印象です。
このようにかけた金額に対して大きなリターンが見込めるのが遺伝改良ですが、資産形成での投資と同ように、現状把握が欠けている場合や戦略が不適切な場合は結果に結び付きません。
次回は、遺伝改良で成果が出にくい原因について解説します。
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