現在、うちの牧場での分娩は90%以上が自然分娩で、最後に介助したのはいつだったのか覚えてないくらいです。さらに、死産も年に1回程度です。
約1年前から「アミノ酸給与」をし始めてからは、この状態が続いています。以前からビタミン・ミネラルは給与しており、80%程度は自然分娩でしたが、アミノ酸を給与してから今の状態に進化しました。
親牛の、子を出そうとする力と、子牛の出ようとする力が、バランス良く向上して、安定した分娩体制につながっていると思います。このことから、十分にアミノ酸給与をお勧めできます。さらに給与したアミノ酸をしっかりと吸収できるように、生菌剤を活用した胃腸作りも重要です。
ちなみに子牛の体重は雌で40~45kg、雄で45~50kgで生まれることが多いです。
分娩のタイミングは時間だけでなく、日にちや腹の張り、乳房の張り、陰部の腫れを見て、市場・乾乳管理期間を考慮して予定日を設定してます。早産にならないように、観察し、計画的に管理してます。
分娩介助することはほとんどありませんが、以前から獣医さんを呼んで介助するようなことはなく、ほとんど自分でやってきました。手を入れての介助、引っ張るタイミングなどは、ここでは言及を避けておきます。かかりつけの獣医さんに聞いてみてください。
私は実家にいた10代のときに、難産のたびに何人かの獣医さんにいろいろ質問して、しっかり学ぶことができました。
そのときにしっかり学んだことと、その後の経験が合わさり、20年以上たった今も使える技術として役に立っています。
ここでは、引っ張り始めてスムーズに出す方法を紹介します。1人でも、複数人での介助でも同じように使える方法です。
分娩介助の方法を紹介
親牛が立っている状況で、介助ロープで真っ直ぐ引っ張り、引っ張った状態でロープを固定して、子牛の前足を下につけるように押してください。このときに、子牛を下に立たせるイメージを持ちます。
ロープに乗って押しながら、子牛の頭を手でかき出すようにすると介助しやすくなります。真っ直ぐ引っ張りすぎると、肩や頭が引っ掛かりやすくなります。
引っ張って頭が出て、肩までしっかり出た状態で一度止めて、子牛の口を開けて羊水を吐き出させると後々楽になります。最後に出すときに、少し荒っぽく落とすくらいだと、全身の刺激が脳に伝達されて、蘇生につながります。その後は親が舐めて、頭を上げてくれるのがベストです。
舐めてくれない場合は、牛の舌のザラザラをイメージして、ワラや乾燥で強めに拭いて、刺激が脳に伝達されて、蘇生するようにします。
細かい技術はほかにもありますが、今回はここまでにして、次回は出産後の対応を紹介します!