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ルミノブログ1:大学農場の取り組み

JOURNAL 2024.04.24

泉 賢一

泉 賢一Kenichi Izumi

 皆さん、はじめまして。酪農大の泉と申します。僕は今、酪農学園大学の農食環境学群循環農学類に所属しており、ルミノロジー研究室の教授として日夜教育と研究に励んでいます。また2023年度から酪農学園フィールド教育研究センター長、いわゆる附属農場長にも任ぜられ、大学附属農場を統括する立場でもあります。

 このブログでは、大学や酪農学園フィールド教育研究センター(以下、センター)の話題、酪農現場での学びなどについてご紹介できればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。栄えある第1回目の話題としまして、センターの新しい取り組みについてご紹介します。

●垂直の太陽光パネル

 センターの酪農生産ステーション(いわゆる乳牛部門)では、23年度から牧草生産圃場での垂直型太陽光発電パネルの実証試験をスタートさせました。センターと再生可能エネルギーの発電事業などを行なう自然電力株式会社が協同して、積雪地域の牧草地に垂直型パネルを設置し、牧草の収穫と太陽光発電を同時に行なうソーラーシェアリングの実証試験に取り組み始めました。

 実証試験には、垂直型かつ両面受光型のパネルを用いており、日陰になる部分が少なく、発電しつつ牧草を栽培・収穫できる特長があります。牧草地から粗飼料生産をしながら、売電による追加収入が期待できるハイブリッド型のシステムというわけです。

 チモシー草地約1.5haに、1列当たり40mのパネルを4列設置しました。トラクターなどの作業機械が通れるよう8mから10mの間隔を空け、積雪に備えて地上から約130cmの高さに設置しました。発電最大出力約80kw/hで、発電した電力は大学構内で使用しています。

 従来の横置き型パネルと比較すると、今回設置した垂直型パネルには次のような利点があります。

  • 大型農機による作業が必要な土地にも導入しやすい
  • パネルに雪が積もらない
  • 雪の反射光や拡散光を捉えやすい
  • 積雪地域でも冬場の発電量を維持できる
地上130cmにパネルを配置したので、雪が積もってもパネルが出ていました。

 つまり、北海道のような積雪地帯の冬期間でも安定的に発電可能なユニークなシステムというわけです。雪が解けて春になったら本格的に牧草生産が始まり、作業性、経済性および牧草生産量の観点から、循環農学類の研究室と共同で研究を行なう計画になっています。

 結果はこのブログでご紹介していきますので、楽しみにお待ちください。

PROFILE/ 筆者プロフィール

泉 賢一

泉 賢一Kenichi Izumi

1971年、札幌市のラーメン屋に産まれる。北大の畜産学科で草から畜産物を生産する反芻動物のロマンに魅了される。現在、農食環境学群循環農学類ルミノロジー研究室教授。2023年より酪農学園フィールド教育研究センター長。専門はルーメンを健康にする飼養管理。癒やしの時間はカミサンとの晩酌。

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