「権限移譲」への挑戦
〜牧場経営の現場で、このようなことはありませんか?〜
「特定のスタッフにしかわ分からない仕事があり、その人が休むと現場が回らない」
「仕事を任せたいけれど、任せるのが不安で結局自分がすべて抱え込んでしまう……」
経営者がスタッフへ業務を任せようとする(=権限移譲する)際、その難易度の高さやリスクに直面し、足踏みしてしまうケースは少なくないのではないでしょうか。
そこで、勘や経験だけに頼らない「自発的なチーム」を仕組み化するヒントとして、朝霧メイプルファームの丸山純氏が実践する取り組みをご紹介します。
大人気シリーズ「最高の牧場を作る最強のチームの作り方8(Dairy Japan2026年8月号)」から、スタッフが主役となるための「権限移譲」と「ジョブローテーション」の取り組みのヒントをお届けします。
チームビルディングにおける「7つの仕組み」の折り返し地点
今回は、7つの仕組みのうちの4つ目にあたる「権限移譲」について詳しく掘り下げていきます。
丸山氏は「権限移譲」をわかりやすく噛み砕き、「仕事、任せちまえばいいっしょ!」と表現しています。
しかし同時に、この仕組みは7つのなかでも「一番、導入難易度が高いのではないか」とも分析しています。
なぜなら、権限移譲には組織を強くするメリットがある反面、明確なデメリットとリスクが付きまとうからです。
丸山氏が実践する権限移譲には、大きく分けて次の2つの意味があります。
①意思決定の権限移譲
②ジョブローテーションの導入
今回は、この2つのうち、特に現場の仕組み作りづくりとして重要な「ジョブローテーション」に焦点を当てて解説していきます。
朝霧メイプルファームが実践するジョブローテーションとは
ジョブローテーションとは一言で言えば
「農場に存在するさまざまな仕事を、満遍なく経験し、習得してもらうことを目指す仕組み」です。
朝霧メイプルファームでは、一部のスペシャリストを育てるのではなく、すべてのスタッフに乳牛に関わるあらゆる仕事を経験させているのが大きな特徴です。
その対象となる業務は搾乳、哺乳、エサ作り、牛舎衛生管理、削蹄、繁殖など多岐にわたります。
これらすべての仕事を全員が経験することで、スタッフ一人ひとりが「牧場全体で何が起きているか」を把握できるようになります。
前段階である「データの収集と共有」によって客観的事実を全員が把握しているからこそ、こうした他部署の業務への理解や移行もスムーズに行えるという背景があります。
ジョブローテーション導入の4つのメリット
丸山氏はジョブローテーションのメリットとして以下の4つを挙げています。
- 休日や人員の調整が容易になる
全員が全業務をこなせるため、誰が休んでも補い合える。
同牧場では「月9日の希望休」や「4連休」も自由に取得できる環境を実現。 - トラブル時に適切な人員配備ができる
分娩ラッシュや機械トラブルなどの突発的な多忙時にも柔軟に人員を配備でき、特定のスタッフへの負担を防ぐことができる。
- 総合的な知識が体得できる
乳牛は一つの生命体。たとえば「子牛の生育不良」の際も、哺乳担当だけでなく「エサや乳質、蹄に原因があるのでは?」と多角的に原因を捉えられるようになる。
- 属人的なスキルや判断ではなく、組織的業務の構築が可能になる
「あの人がいないと現場が回らない」という属人化を防ぎ、チーム全体で業務を支える強い組織基盤が整う。ただし、この4つのメリットを享受するためには避けては通れない「教育コスト」を払う必要があります。
さいごに
高い教育コストを払い、ベテラン化をあえて崩してまで、なぜ全員にマルチな業務を経験させるのか?
誌面では朝霧メイプルファームの導入例をあげながら、ジョブローテーションのリスクも解説しています。
スタッフ全員が主体的に動く組織へと変貌させていく、その具体的なノウハウや続きを知りたい方は、ぜひDairy Japan8月号を手に取って確かめてみてはいかがでしょうか。
▼詳しくは「Dairy Japan2026年8月号」に掲載しています。
▼まずは1冊だけ試したい方は「試し読み」も可能です。
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