Dairy Japan抜粋記事

PSPSとは? 使い方や活用方法を解説

JOURNAL 2026.08.10

Dairy Japan編集部

Dairy Japan編集部Dairy Japan Editorial Department

PSPSとは? 使い方や活用方法を解説

 「飼料設計を見直したのに乳脂肪率が安定しない」「同じエサなのに個体によって糞の状態が違う」等といった悩みはありませんか。原因の一つとして、飼料と実際に牛が採食している内容は必ずしも同じではないからです。

 そのズレを確認するために活用されるのが、PSPS(ペンステート・パーティクル・セパレーター)です。この記事では、PSPSの役割や使い方、結果の見方、現場での活用方法について解説します。

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PSPSとは?

 PSPS(ペンステート・パーティクル・セパレーター)は、飼料の粒度分布を測定するためのツールです。飼料を「ふるい」にかけて粒度ごとの割合を確認することで、「設計した飼料」と「実際に牛が食べている飼料」のズレを把握できます。

 また、反芻や唾液分泌に関わる物理的有効繊維(peNDF)の状態を評価する際にも活用されています。

PSPSでわかること

 PSPSを活用することで、次の項目を確認できます。

確認項目 詳細
飼料の粒度バランス 粗すぎる飼料や細かすぎる飼料を把握し、適切な粒度になっているか確認できる。
選び喰いの有無 給与直後のTMRと残飼を比較することで、牛がどの粒子を選んで食べているか確認できる。
ルーメン環境のリスク 粒度バランスが崩れている場合、反芻不足やSARA(亜急性ルーメンアシドーシス)のリスクを推測できる。
給飼管理の課題 ミキサーの混合状態や給飼作業のバラツキ等、管理上の課題発見にも役立ちます。

 どういった内容が確認できるのか理解したうえで活用しましょう。

PSPSの測定方法

 正確な結果を得るためには、適切なサンプリングと測定が重要です。

1. サンプルを採取する

 ミキサー排出時は「排出初期・途中・最後」の3カ所から採取します。飼槽の場合は中央と両端の複数カ所から採取し、全体を代表するサンプルを準備します。

2. サンプルを準備する

 採取後はできるだけ早く測定を行います。全体の傾向を確認したい場合は混合し、バラツキを確認したい場合は個別に測定します。

3. PSPSで測定する

 PSPSを水平な場所に置き、一定のリズムで振ります。前後に5回振りながら90度回転させる動作を繰り返し、粒子をサイズごとに分離します。

4. 結果を計算する

 各段に残った飼料重量を計測し、全体に占める割合を算出します。

PSPS結果の見方

 測定結果は、粒度バランスや牛の採食行動を確認する際に活用できます。

結果 わかること
上段の割合が高い場合 粗い粒子が多く含まれている状態です。牛が長い繊維を残して選び喰いしている可能性があります。
受け皿の割合が高い場合 細かい粒子が多い状態です。反芻や唾液分泌が不足し、乳脂肪率の低下やルーメン環境の悪化につながる恐れがあります。
サンプルごとの差が大きい場合 ミキサーの混合状態や給飼作業に問題がある可能性があります。

 牛の健康状態だけではなく、管理体制の改善にも活かせますので、しっかりと結果を理解しましょう。

PSPSの活用事例

 ある牧場でPSPSを用いて給飼直後のTMRと残飼を比較したところ、牛が長い繊維を優先的に採食していることが確認されました。その結果を基に粗飼料の切断長やミキサー設定を見直したところ、飼料バランスの改善につながりました。

 このようにPSPSは、飼料の状態を確認するだけでなく、現場改善の判断材料として活用できます。

PSPS使用時の注意点

 PSPSは簡単に使用できるツールですが、測定方法によって結果が変わることがあります。特に以下の5つに注意しましょう。

  • 1カ所だけでなく複数箇所から採取する。
  • サンプル量を適切にする。
  • 一定のリズムで測定する。
  • 測定方法を統一する。
  • 結果だけでなく牛の状態も合わせて確認する。

PSPSを定期的に測定するメリット

 PSPSを継続的に活用することで、次のような効果が期待できます。

  • ルーメン環境の安定
  • 選び喰いの早期発見
  • 乳量や乳脂肪率の維持
  • 飼料効率の向上
  • 給飼作業の品質管理

 定期的な測定は、飼養管理の精度向上にもつながります。

まとめ

 PSPSは、飼料の粒度分布を把握し、設計した飼料と実際の採食内容のズレを確認できるツールです。選び喰いやルーメン環境の課題発見にも役立ち、乳量や乳脂肪率の安定化につながる可能性があります。

 PSPSを継続的に活用し、より精度の高い飼養管理に役立てましょう。

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