本格的に講義が始まり、前期のとくに春先は実験、実習、講義と怒濤の毎日です。北海道時代とは異なるフィールドで、都会の学生たちに酪農の面白さをどう伝えれば良いか、授業や実習のメニュー作りに頭をひねっています。学生たちのキラキラしたまなざしを見ていると、こちらも気持ちが引き締まります。
さて今回は、そういった学生実習にも関連して、牛舎に入った第一歩について考えてみようと思います。
「牛舎の違和感を探す」学生たちの視点
先日の実習では、「牛舎の違和感を探す」というテーマで学生たちと一緒に牛舎を見て回りました。読者の皆さんは、牛舎に入るとき、まずはどこに視線を注ぎますか?
ファーストインプレッションで確認する重要項目
私がまず見るのは、牛たちが多く立っているか、落ち着いて寝ているか、反芻しているかといった全体の雰囲気です。飼料給与直後に立っている牛が多いのは当然ですが、エサを食べずにボーッと立っている牛が多いときは何か問題があると考えて間違いありません。
ストールの形状や敷料の有無をチェックしましょう。牛に近づけるなら糞の状態も見ます。軟便や下痢は見られないでしょうか。糞中にトウモロコシの子実は目立ちませんか。
次に、太っているか痩せているかのボディコンディション、牛体の汚れや傷、毛艶、敷料の状態を確認します。飼槽のエサの質、残飼の量や質、水や塩の置かれ方はどうでしょう。エサや水へのアクセスに対して障壁はないでしょうか。
牛舎環境については匂い、風、湿気、換気方式や暑熱対策の様子などをざっと頭に入れます。牛舎の方角や西日の当たり方も気になります。

観察から浮かび上がる農場の輪郭
こういった項目をざっくり頭の中にインプットします。ガッチリ調査するときは、あらかじめチェックシートを用意したりもします。これらの情報は、農場主がいなくても一通り見て回れば把握できます。確認した項目を整理すると、その農場の強みと弱点が徐々に浮かび上がってきます。学生たちも意外なほど鋭く、こちらが驚かされることも珍しくありません。
都府県の牧場巡りで感じた傾向
昨年一年間、都県の酪農場を回るなかで印象に残ったのは、飼槽のエサの量や敷料の使い方でした。購入飼料中心でコストがかかること、残飼(=堆肥)を増やしたくない事情もあり、与えたものをできるだけ食べ切ってもらう給与スタイルが多いように感じました。そのせいなのか、ボディコンディションがややアンダー気味の牧場も目に付きました。
牛舎に入ったときのファーストインプレッション、皆さんはどこに注目していますか?
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酪農役立ちコラム
