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水本牧場ブログ17:MUN(乳中尿素窒素)との闘い

JOURNAL 2025.02.13

こんにちは!

皆さんは、普段の経営で、MUNをどの程度意識していますか?

 MUNとはMilk Urea Nitrogenの略で、乳中尿素窒素を表します。

 乳牛が食べた飼料の蛋白質が、体内でどのように利用されているかを示す指標です。私は、ここ4年くらいは、バルク乳の数値が出るたびに必ず最初にMUNをチェックするくらい、重要視しています。

なぜMUNを測るのか?

①飼料のバランスチェック

飼料中の蛋白質とエネルギーのバランスが適切か判断できます。

② 牛の健康状態

牛が健康かどうか、栄養状態がどうかを把握する目安になります。

③乳質の改善

MUNの値を調整することで、乳質の改善が期待できます。

【MUN値が高い場合】

蛋白質の摂取量が過剰である可能性があります。
ルーメン(第一胃)内でタンパク質が効率的に分解・利用されていない可能性があります。
エネルギー不足により、微生物が蛋白質を十分に利用できていない可能性があります。

【MUN値が低い場合】

蛋白質の摂取量が不足している可能性があります。
ルーメン内で蛋白質が過剰に分解されている可能性があります

 

MUNを測るメリット

①早期発見

栄養状態の問題を早期に発見し、対策を立てることができます。

②飼料コストの削減

適切な飼料を与えることで、飼料コストを削減できます。

③乳質の向上

乳質の改善につながり、酪農経営の安定化に貢献します。

MUNは、乳牛の健康管理や飼料管理において重要な指標です。

10から12mgが適正とされていますが、うちの牧場では9から11mgになるように管理しています。

MUNの調整方法は

 就農してしばらくは、MUNを気にすることはほとんどなく、8から10mgで推移していました。そこから、乳量の増加と牛達の能力向上に伴い、次第に10m→11mg→12mg→13mgとだんだんと上昇していったことで、注視するようになりました。圧ペンコーン、パルプで調整をしていくと、年々前の年の飼料設計では対応ができなくなり、毎年ベースアップをしていきました。

さらにパルプを増量しようとしたタイミングで、砂糖の使用量の低下での、ビートの減産で、パルプを決まった数量以上の供給ができなくなり、ほかの解決策を探すことになりました。そんなときに、日本製紙さんの「元気森森」を知り、2023年10月から使用することにしました。幸いにも、「元気森森」はうちの農場にベストな製品でした。

消化スピードの緩やかさが特徴の一つで、スピードの早い飼料ばかりになっていた設計の幅を拡げてくれました。給与後すぐに、MUNが安定しました。その後に、成分、乳量が向上していきました。

消化スピードの緩やかさが、腸での通過スピードにも影響を与え、水分吸収が良くなったと考えられるので、難便が減りました。

放牧や、TMR給与と広い範囲の農家さんにオススメできる飼料です。

MUNを安定させるために、飼料管理に気を配り、牛達の健康管理を向上させたいです。

経営向上に直結する指標として、これからもMUNとの闘いは続きます。

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「元気森森」についてご紹介した記事はこちらからご覧ください。

PROFILE/ 筆者プロフィール

水本 康洋

水本 康洋

1983年、別海町の酪農家生まれ。
北海道立農業大学校卒で、帯広市の酪農ヘルパーを経て、実家に就農。
その後、実家を離れ、浜中町にて研修後、2016年4月に新規就農し、現在に至る。

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