12月中旬に近づき本格的に寒くなってきました。サシバエの活動もようやく終わりを迎えました。
前回の続きです。農家の皆さんにお願いして、11月初旬に一斉にRSワクチンを接種するようになりました。下のグラフ(1から4)は、2カ月齢で導入する肥育農家さんにおける月別の肺炎治療頭数です(回数ではありません)。
粘り強いワクチン接種がもたらす集団免疫と治療頭数の減少




A・C・D農家さんは2010年1月から2017年6月、B農家さんは2014年12月から2017年6月までのグラフになります(B農家さんは2014年12月から診療を始めたため)。
2014年12月は各農家とも爆発的な肺炎発生が見られました。それ以前も冬を中心に定期的に集団肺炎の発生が見られていました。
RSワクチンを粘り強く接種することによってA・B・C農家においては2014年のような爆発的な集団肺炎は徐々に少なくなってきました。グラフにすると少し実感しにくいのですが、接種以降は穏やかな年末年始を迎えられるようになりました。それは今も続いています。
また集団肺炎の発生がなくなることで、肺炎の治療頭数も年を追うごとに徐々に減ってきました(図1)。
今は、さらに広い範囲、多くの農場で冬前に一斉接種をするようになり、渥美半島全体がRSに対して強い免疫を持てるようなイメージで接種を続けています。

図1、2017年末までの治療頭数
RSワクチンは子牛の肺炎予防に大変効果があると思います。とくにA農家さんではよく効いているようです。A農家さんは飼養管理レベルが高く、病気もすぐに発見します。
D農家さんは、RSワクチン接種後も散発的に集団肺炎が発生しております。これはD農家さんの飼養管理がほかの農家さんに比べて少しだけ悪く、病気の発見もやや遅いことが原因と考えられます。
薬剤に頼る前の環境改善と栄養管理による基礎免疫の向上
最後に言いたいことは、ワクチンや抗生物質は大変素晴らしいものでありますが、薬に頼りすぎては絶対にダメだということです。それらを効かせるためには、牛の飼養管理がとても重要です。
密飼い、換気が悪い、下がベチャベチャしてお腹が冷える、そんな環境は免疫が下がります。免疫を高めるためには良い栄養管理も大切です。水槽は綺麗ですか? その乾草は子牛が消化できますか? 配合の量は十分ですか?
薬に頼る前に、必ず今の飼養管理を振り返ってみてください。
なお、ワクチン接種に関しては農場に来ている獣医さんとよくお話しをしたうえで方針を決定してください。
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