テーマは、小林悟さんがアメリカ視察を経て感じた「プログラム授精」に関する日本の現場との違いについて。アメリカの牧場では、ほぼ全頭がホルモン注射で人工授精を行うプログラム授精で繁殖管理を行なっていいました。
それらの農場では妊娠率35%超の実例もあるとのこと。
NYの多くの牧場では、発情発見に頼らずオブシンクやダブルオブシンクなどで全頭をプログラム授精していました。妊娠率30〜35%という好成績も珍しくありません。ただ、その鍵は手順そのものではなく、カウコンフォートと栄養という土台にあると感じました。
日本で同じ運用をそのまま当てはめますと、暑熱や季節変動で周期がずれ、思い通りにいかないかもしれません。また、70日→90日→110日…とプログラムだけを回すと、卵巣機能の低下を実見できる時機が遅れ、介入が後手に回るリスクもあります。さらに日本では、和牛受精卵移植があり、そのコストは高いため、“数を打てば当たる”方式はリスクにつながりやすいと感じます。
結論はシンプルです。プログラムは魔法ではありません。
- まずは群の健康(BCS、横臥時間、DMI、暑熱期の反芻・換気)を整えます。
- リシンクは暦ではなく卵巣の現在地で調整します(エコー併用が有効です)。
- 和牛戦略はP/Lで試算し、回数や手法を最適化します。
NYで見た高成績の裏側には、環境と栄養の下ごしらえがありました。日本の現場では気候と経済条件を織り込み、自牧場版のプロトコルに落とし込むことが近道だと思います。
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