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暑熱問題の解決に向けた新しい換気システム
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暑熱問題とアニマルウェルフェア
昨今の気候変動による猛暑日の増加や夏期の長期化は、日本の酪農に対し深刻な被害をもたらしています。熱中症により牛が死亡してしまうケースや、暑熱ストレスにより牛の採食量減少による出荷乳量の落込み、牛の繁殖力(受胎率)の低下による酪農家の経営状況の悪化を招いていることが報道されています。
また2000年代以降の新たな課題として、アニマルフェルフェアに則った牛の飼養環境の改善がありますが、ヨーロッパを中心に法整備が進められているものの、日本では実質的に生産者および消費者にアニマルウェルフェアの考え方が社会のルールの一つとして浸透していくかは、まさにこれからがスタートと言えます。
今回は、この新たな課題に対して、CMP社(イタリア)がどのような解決策を提供するかを紹介させて頂きます。
CMPの換気システム
アニマルフェルフェアが提唱している牛舎環境の改善項目の一つに、牛が衛生的かつ快適な環境で常に飼育されることがあげられます。牛舎では、牛舎内における牛の糞尿から発生したアンモニアや硫化水素を含む有害ガスや牛の噯気から発生するメタンガスなどを大型ファンで牛舎から完全に追い出すことが要求されますが、実際の現場では設置コストの課題もあるため、充分に対処できないケースも見られます。
CMP社は、より効果的な換気を行うためHVLS(Hi Volume Low speed)ファンで、広範囲かつムラのない換気により、牛床エリアを常に新鮮な空気に保つほか、敷料の湿気を除去することで細菌の繫殖を防ぎ、通路も乾燥させることで蹄病の感染リスクを低下させます。
牛床エリアは牛が一日の間で最も長い時間を過ごす場所であり、そのエリアの空気を新鮮に保つことは重要な意味を持ちます。
また、CMP社の換気システムは温度計と湿度計が備わっており、データをリアルタイムでモニタリングし、牛用に補正したTHI(不快指数。Temperature-humidity index)に基づき、必要となる換気扇のスピード制御を行ないます。
CMPクーリングシステム
牛は人間よりも遥かに暑熱ストレスに弱い動物です。暑熱ストレスを受けた牛が見せる行動としては、呼吸回数の増加のほか、体表面積を空気にさらして体温を放熱する、ベッドから立ち上がり体に風を受けようとする、水槽に足を入れる、糞尿であっても湿った場所で立ち止まる、少しでも条件の良い場所に密集する等が見られます。
これらの兆候は、牛が軽度以上の暑熱ストレスを受けているサインのため、牛舎環境の見直しが必要となります。
暑熱対策として、これまで一般的に講じられてきた方法としては、コスト面や設置の手軽さ面から細霧装置(ミストシステム)があります。人間であればミストの噴射により、涼しさを感じることができますが、牛は体毛で覆われているため、その効果はやや限定的とならざるを得ません。仮に牛舎内に空調機器があれば、湿度を上げずに温度を下げることも可能ですが、膨大な設置費用とランニングコストを考えると、現実性に欠けると言わざるを得ません。
CMPのクーリングシステムは、採食通路で整列している牛にしっかりと体毛の中まで浸透し、皮膚表面に到達するだけの大粒の水をスプリンクラーから放出し、飼槽で採食している牛を一斉に冷却します。
一斉に牛を水で濡らした後は、牛の上部に設置された換気扇で、濡れた牛体の体を乾燥させることで起きる気化熱が牛体の皮膚から直接熱を奪うため、牛の体を直接冷却することが可能です。
サーモグラフィーによる体温比較
このようにCMP社はアニマルフェルフェア基準への準拠と、暑熱問題の二つのテーマに対して解決策を提供します。
そのほかの導入事例
CMPクーリングシステムは採食通路のほかに、パーラー待機場にも設置が可能です。スプリンクラーからの放水と、冷却ファンによる乾燥はタイマー制御で行なわれますので、最小通路の設置と同一のプログラムで動作し、導入コストおよび使用水量については最低限に抑えられる利点があります。
搾乳前に30分以上クーリング時間を設けられるように待機場への牛の誘導を調整することで乳量に改善が期待できますので、エントリーモデルとして最適な選択と言えます。