ルミノブログ34:暑い夏をメリットに変える トウモロコシの二期作にチャレンジ

JOURNAL 2026.07.22

泉 賢一

泉 賢一Kenichi Izumi

関東は広いですね。

本州移住2年目の今年は少しずつ酪農家や関係者のネットワークが広がり、関東一円を駆け回る日々です。
ただ、自動車利用の場合は注意が必要で、ときに渋滞に巻き込まれます。北海道時代と比べると、同時間での移動距離はだいぶ短くなってしまいます。

それでも、神奈川県内から、西は山梨県から、北は栃木県、東は千葉県、以外なところでは東京都と、酪農家にお邪魔して、データを取らせてもらったり、お話を聞かせていただいたりしています。

関東では酪農や牛乳普及に関する催しも一定数ありまして、先日は生産者、高校生や大学生とともに酪農について語り合いました。

暑さを利用したトウモロコシ二期作

さて、そんな中、真夏が到来していますが、この暑さを逆手にとって飼料用トウモロコシの二期作にチャレンジする酪農家が存在します。私は千葉県にお邪魔して、調査させていただいていますが、北海道とは比べものにならない暑さの中、トウモロコシ一期作目の収穫が7月中~下旬には行なわれます。

一期作収穫後、できるだけ速やかに二期作目の播種作業に移るのが成功のポイントです。いくら関東の夏が暑いとはいえ、二期作目の収穫時期は11月~12月になりますので、最後の実の入りが寒さの影響を受けて未熟に終わってしまうからです。

トウモロコシの二期作に取り組むと、収量は単純計算で2倍になるのでしょうか。愛知県のレポートによりますと(内山ら2019)、中生の一期作(相対熟度124日)に対して、一期作目:極早生(同105日)+二期作目:晩生(同127日以上)を組み合わせることで1.6倍のTDN収量となることが確認されています。2倍までは行かずとも、反収を相当量増やすことができます。

コーン×イタリアンよりも期待大?

本州でよく見られるイタリアンライグラス+トウモロコシの「二毛作」との比較ではどうでしょうか。農研機構の関東での試算では、トウモロコシ二期作はトウモロコシ+イタリアンライグラス二毛作より、年間乾物収量が10~24%、TDN収量が15~30%多くなりました。

また、トウモロコシ二期作の隠れたメリットとしては、堆肥を一期作よりも多く投入できることも挙げられます。二期作をする場合は、春の1作目に年間分の堆肥をまとめて投入しておくことができます。あるいは、2作目を不耕起播種した後に、表層散布するということも可能です(高脇と臼坂2017)。

今年の夏も暑くなりそうですが、この高気温を活かしたトウモロコシの二期作に期待が高まります。

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PROFILE/ 筆者プロフィール

泉 賢一

泉 賢一Kenichi Izumi

1971年、札幌市のラーメン屋に産まれる。1浪の末、北大に入学。畜産学科で草から畜産物を生産する反芻動物のロマンに魅了される。修士修了後、十勝の酪農家で1年間実習し、酪農学園大学附属農場助手として採用される。ルミノロジー研究室の指導教員として学生教育と研究に取り組むかたわらで、酪農大牛群の栄養管理に携わる。2025年4月、27年間努めた酪農大を退職し、日本大学生物資源科学部に転職する。現在はアグリサイエンス学科畜産学研究室の教授。専門はルーメンを健康にする飼養管理。最近ハマっていることは料理と美しい弁当を作ること。

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