暑熱対策補助事業の受精卵移植(以下、ET)奨励金について質問をもらうので解説します。
6/1〜9/30までの期間に乳牛へ移植した交雑種受精卵(以下、F1卵)とホルスタイン種受精卵(以下、ホル卵)に対して、ET 1回当たり1万円の奨励金が出ます。

暑熱下で人工授精の受胎率が極端に下がりますが、ETの場合はそれほど落ちないことがわかっています。ET用の受精卵(Day7)は、精子や受精直後の受精卵より暑熱ストレスに強いのです。

受精卵への補助事業の主なルールは以下のとおりです。
・地域ごとに係数がある(後述※)
・受精卵の購入は過去の物でもOK
・預託先の育成牛も対象
・和牛受精卵は対象外
・1頭当たり2回まで
・追い移植や2卵移植の場合も対象
・購入受精卵でも自家採卵でもOK(受精卵証明書が必須)
・体内卵でも体外卵でもOK
・6~9月は「長命連産性支援」においてETは補助対象外

地域ごとに係数が決められていて、実質ホル卵のET数に応じて、補助対象となるF1卵のET回数が決まります。
例えば、北海道(1:1)なら、6~9月の間にホル卵ET 10回なら、F1卵ET 10回まで対象で、合計20回ぶんの奨励金が支給されます。F1卵をそれ以上移植していても対象外です。
弊社のある関東(1:4)だと4倍なので、ホル卵ET 10回実施すれば、F1卵ET 40回まで対象で、合計50回ぶんの奨励金が支給されます。西日本はより暑熱ストレスが大きいので10倍の係数になっています。
多くの場合、F1卵より入手の難しいホル卵の確保が課題です。弊社ではたまたま1年前からと畜場由来体外受精卵の培養設備を準備していたので、ホル卵もF1卵も安価に、しかも凍結しない新鮮卵で生産できる体制を構築してきました。
弊社の受精卵は生産キャパが小さく顧客向けですが、各事業者が受精卵生産に奮闘しているので、補助を利用するならいろいろ探してみてはいかがでしょうか。
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