『らくコネ』に私の農場の様子を掲載してもらうようになったこともあってか、最近「仕事が確立して、安定して良いですね」と言われることがありました。
しかし残念ながら、まだまだ仕事は確立していませんし、安定もしてないのが実情です。
管理体制や経営が確立・安定しないというのは、もちろんネガティブな要因もありますが、常に改善を続けて、さらに良くなるように、ポジティブな要素で変化させている部分が大きいからです。
さて、ここで私の考えをお話ししますが、私の座右の銘として「日々是新(ひびこれあらた)」という言葉があります。
日々是新
これは、中国の儒学者である孔子(こうし)の言葉とされています。意味は、
①日々、何かしら新しい発見や学びがある。
②日々、心を新たにして生きていく。
③日々、成長し続ける。
です。解釈として、
①常に学び続けることで、自己成長を促す。
②どんな状況でも前向きな姿勢で生きていくことの大切さ。
③今の時代は常に変化しているため、変化を恐れずに新しいことに挑戦していくことの大切さを
を表しています。
私は「日々是新」の精神を持って、酪農家としても経営者としても、常に向上していくことを考えて仕事に取り組んでいます。なので、確立や安定を求めるではなく、より良いものを求めることを理念としています。
山あり谷ありでも前に進む
新規就農当初は、離農農家さんから集めた牛達だったので、確立や安定を目指すステージではなく、常に繁殖、乳量とも改善していかなければなりませんでした。そのなかで、地震での停電、コロナ、夏の猛暑、ロシアウクライナ問題など外的要因があり、ネガティブな要素による変化を強いられることがありました。トラブルへの対応に追われてしまうなど、上手くいかないこともあり、それを乗り越えて乳量が増えて、と思ったら繁殖が悪化して、また繁殖が改善されて……など、山あり谷ありで進んでいます。
乳量が増えなくても乳成分を高めて乳価を補う、繁殖が悪くても頭数を増やして補うなど、「どこかを改善できるのでは」といつも考えて、柔軟に対応しています。
近くで見ると、その変動がジグザグな進み方になって、「本当に前に進んでいるのか」と思うかもしれませんが、ポジティブな要素で変化させることにより、過去から現在までを俯瞰して見ると、右肩上がりで進むグラフのような動きを想像して、日々仕事に取り組んでいます。
変化を恐れずに、柔軟に対応していき、良くない現状を乗り越えていきたいと思います。ネガティブな要素のマイナスをカバーする現状から、ポジティブな要素のプラスを、さらにプラスにできるように努力したいと思います!