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「精密な」給飼を支えるミキサーワゴン

PICK UP 2024.06.13

 どのような飼料原料や栄養成分をどのような割合で配合すれば乳牛のパフォーマンスが向上するかは、これまでに研究が進んでいるためよく知られています。また実際に、栄養のプロフェッショナルにエサの設計を依頼し、緻密な栄養戦略を立てている方が多いことでしょう。しかし、いかに繊細に設計された飼料も、正確に調製されて実際に牛の口に運ばれなければ想定した結果を得ることは難しくなってしまいます。
 計画どおりの飼料を調製できる手段は非常に重要であり、とくに養牛の環境においてはその手段として飼料ミキサーワゴンが非常に重要な存在です。

飼料の調製方法の違いがもたらすパフォーマンスへの影響

 オルテック社傘下のアグリマシンメーカー、キーナン社が過去に実施した試験では、同じ原料・配合の飼料を他社製縦型(バーチカル)ミキサーで調製した場合と、キーナン社製ミキサーワゴン「メックファイバー」を使用して調製した場合を比較し、飼料ミキサーの違いが乳牛の成績に与える影響を検証しています(表)。その結果、キーナン区は対象区よりも長い飼料片の割合が低く、乾物摂取量が多くなり、乳量および乳蛋白量も多くなりました。同じ原料、同じ配合設計であっても調製方法(使用するミキサー)が異なると、飼料摂取量や乳量に違いが生じることがわかります(Humphriesら/Reading大学(UK), 2008)。

キーナンの「メックファイバー プラス」シリーズ

 TMRミキサーワゴン「メックファイバー プラス」シリーズは、独自の「パドル式」です。攪拌室内部には、特有の角度をつけられた計6本の特殊なパドル、底部に戦略的に設置された多数のボディ(固定)ナイフ、そして上部に設置されたトップナイフが備えつけられています。空気を含ませながら優しく均一に攪拌する動作と、均一な長さで繊維を鮮やかに切断する動作とのコンビネーションを生み出すこの特殊構造で、独自の「メックファイバーミックス」飼料が調製されます。このメックファイバーミックスはその物理的特性により、ルーメン内壁に反芻を促す刺激をもたらし、またルーメン液を飼料の隅々まで浸透させられるため、飼料の消化と栄養吸収を促進する特別な混合飼料です。

 また、飼料排出室は攪拌室と分けられており、飼料排出室内に設けられたオーガーによって、狙いどおりに仕上がった飼料だけを最初から最後まで均一に排出することが可能です。一貫した排出が可能であるため、給飼ワゴンを牛舎内で何度も往復させる必要がなく、作業時間短縮と燃費改善にもつながります。

 キーナンのミキサーシリーズは、ただ切って混ぜるだけではない機能性栄養ソリューションで、農場の収益性向上に貢献する心強いパートナーとなります。

改良モデルチェンジ

 2022年にはおよそ8年ぶりに大幅なモデルチェンジが行なわれました。パドル角度の改良や選べるオプションの追加、細かな造作の改善が加えられ、見た目もさらに洗練されました。キーナン社のメックファイバー プラスシリーズは、ご注文を受けてからアイルランドの工場で熟練した職人達が手作業で組み上げていくため、さまざまなオプション選択が可能です。牛舎の設計、通路の幅や天井の高さ、飼槽の形状などに合わせて細やかなカスタマイズに対応しています。トラクター牽引タイプに加え、トラック搭載タイプもあり、さらに移動や排出が不要な施設のために設置タイプも提供しています。現在は14立米から28立米の5機種を主に展開しています。

詳しくは弊社ホームページをご覧ください。

PROFILE/ 企業プロフィール

オルテック・ジャパン合同会社

オルテック・ジャパン合同会社

オルテック・ジャパン合同会社は、1980年創業オルテック社(米国)の日本支社です。オルテックは、「イーサック」や「マイコソーブ」シリーズ等、天然由来の飼料用添加物・機能性原料・プレミックス、農産用土壌用調整剤、飼料用ミキサーワゴン等幅広い農業向け栄養ソリューションを製造しています。酵母を始めとする微生物類の特性や機能を農業に応用することにおいて業界をリードしており、世界のすべての人に栄養がもたらされる豊かな地球の実現に向けて多様なパートナーと共に歩みを進めています。

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