【現場技術シリーズ】牛が喜ぶ水槽の使い方・洗い方

JOURNAL 2026.02.06

Dairy Japan編集部

Dairy Japan編集部Dairy Japan Editorial Department

【現場技術シリーズ】牛が喜ぶ水槽の使い方・洗い方

 「水」は乳牛が最も多く摂取する「最大の飼料」です。しかし、給水は自動化されていることが多く、飲水量や飲み方への意識は後回しになりがちです。今回は、乳牛の行動特性に基づいた水槽の設置ポイントと、飲水量を確保するための管理・掃除の考え方を紹介します。

 『Dairy Japan2026年2月号』現場技術シリーズ「牛が喜ぶ水槽の使い方・洗い方」より。筆者:藤田 千賀子(釧路農業改良普及センター・地域係長)
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水は「管理すべき飼料」

 乳牛の体内の約65%は水分で構成されており、体温調節や消化・代謝、栄養素の運搬など、生命活動の基盤になっています。飲水量は乳量や乾物摂取量、気温などの影響を受け、高泌乳牛は1日100L以上必要となる場合もあります。

 給水設備を整えるだけで安心せず、「牛が十分に水を飲めているか」という視点で管理を見直すことが重要です。

牛が飲みやすい水槽の条件

牛が飲みやすい水槽の条件

 乳牛は、水槽に対して約60度の角度で顔を入れ、鼻を水面上に出したまま水を吸い上げて飲水します。この行動を妨げない設計が水槽には求められます。

水槽設計の目安は、以下のとおりです。

項目 目安
横幅 50〜60cm
水深 約15cm
水面高さ 乳牛の立ち位置から約75〜80cm

 フリーストールにおける水槽では、15〜20頭に一つ以上を目安に設置し、過度な競合を防ぎましょう。

水槽掃除が飲水量を左右する

 水槽は、凍結の心配がない時期は毎日水を抜いて掃除することが大切です。
清掃が不十分だと水の腐敗や匂いが発生し、乳牛の飲水行動が制限されることがあります。

 また、掃除を怠ると感染症や乳房炎の原因菌が増殖するリスクも高まります。掃除後に牛が勢い良く水を飲む様子は、水槽管理の重要性を示しています。

掃除をしやすくするための工夫

掃除をしやすくするための工夫

 掃除をしやすくするためには、三つのポイントを意識しましょう。

  • 掃除道具は牛舎入口付近にまとめて配置
  • 防水手袋+綿の軍手で手洗いするとヌメリが落ちやすい
  • 汚れがひどい場合は電動ドリル+ブラシを活用

 日常作業の負担を減らす工夫が、掃除の継続につながります。

設置時から掃除を想定する

 水槽は、排水経路や冬場の凍結対策まで考えた設置が理想です。
 スラリーピットへの排水や電熱線の活用など、掃除しやすい環境づくりが安全性と作業効率を高めます。

手製水槽という選択肢

手製水槽という選択肢

 ギ酸タンクを利用した手製水槽は、改修コストを抑えながら、飲水環境を整えることができる方法です。乾乳牛舎の改修や一時的な水槽増設など、柔軟な対応が求められる現場で活用できます。

まとめ

 水槽管理は、乳牛の健康と生産性を支える基礎的な飼養管理です。

 水槽を効率的に活用するには、三つのポイントを意識しましょう。

  • 水面高さ・水深を確認する。
  • 掃除後の牛の飲水行動を観察する。
  • 掃除しやすい動線と道具配置を整える。

 「水を飲ませる」という意識を持ち、日々の管理を見直すことが、安定した飲水量と健全な牛群づくりにつながります。

▼詳しい実践方法は『Dairy Japan2026年2月号』に掲載しています。
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