独立行政法人家畜改良センターは2026年1月27日、乳用牛(ホルスタイン種)の2026-2月期遺伝的能力評価における主な変更内容を公開した。評価結果の公表は、2026年2月10日に予定されている。
今回の変更は、家畜改良増殖目標の改定や最新の改良ニーズを反映したものであり、総合指数の計算式や遺伝ベースの更新が含まれる。
2026-2月評価における主な変更点
2026-2月評価からは、以下の4項目について変更が実施される。
1. 総合指数(NTP)の構成および重みの変更
疾病への抵抗性向上と乳成分需要の変化に対応するため、NTPの算出方法が刷新される。
- 疾病抵抗性指数の導入: 2025-8月評価から公表を開始した「疾病抵抗性指数(乳房炎、乳熱など6疾患の抵抗性)」を、4%の重みで新たに組み込む。
- 乳脂量と乳蛋白質量の比率見直し: バター需要の高まり等を受け、乳脂量(F)と乳蛋白質量(P)の重み比率を従来の2:3から1:1に変更。乳脂率の改良スピードを従来の約2倍に高める。
- 計算式および定数の更新: 遺伝ベースの変更に伴う数値の低下を防ぐため、調整定数を**+2000から+2400**に変更する。
$$NTP_{2026} = [5.0 \times \text{産乳成分} + 2.9 \times \text{耐久性成分} + 2.1 \times \text{疾病繁殖成分}] \times 0.5 + 2400$$
2. 遺伝ベースの変更
個体の遺伝的能力を評価する際の基準(平均値ゼロとする集団)を、これまでの「2015年生まれの雌牛」から「2020年生まれの雌牛」へと5年分進める。これにより、最新の牛群能力に基づいた相対的な評価が可能となる。
3. 中程度が望ましい体型形質における最適SBV値の更新
BCS(ボディコンディションスコア)や前乳頭の配置など、極端な数値ではなく「中程度」が好ましいとされる8つの線形形質について、最新の遺伝ベースに基づき、最適とされる標準化育種価(SBV)の目標地点(☆印)を再設定する。
4. 搾乳ロボット適合性の適正範囲の調整
遺伝ベースの変更による評価値の変動に合わせ、種雄牛の「搾乳ロボット適合性(R/R+表示)」を判定するための各形質の適正範囲を調整する。これにより、基準変更後も従来と同等の基準で適合性の判定が行われる。
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