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水本牧場ブログ22:「3カ月までの管理、10歳まで」Part.4

JOURNAL 2025.05.28

 「3カ月までの管理、10歳まで」というテーマで、子牛の重要性についてお話しするつもりでしたが、「やはり子牛になる、さらに前の時期からが重要だ」ということで乾乳期や胎子期の管理に触れてきました。

 今回からは、哺育管理について私の考えや取り組みをご紹介します。

 「哺乳期」の管理として、初乳給与や哺乳管理など、多くの方がさまざまな良い方法を紹介しています。私は、それに飼養管理を含めた「哺育期の管理」が重要だと考えています。

 哺育期とは

 哺乳期を含み、離乳後も子牛が自力で飼料を摂取し、成牛になるまでの比較的若い時期を指す、より広い概念です。哺育期には、消化器官の発達や免疫力の向上など、成牛になるための基礎が作られます。

 初乳給与、哺乳管理、飼養管理などは、いろいろな人達に聞いたり、それに関する情報媒体を見たり、読んだりして、自分達が管理方法を真似て試してみることが、遠回りのようで結局は近道になると思います。

 自分達が納得して見つけた方法で、自信を持って管理することが大切だと思います。

うちの哺育期管理は

 うちは、妻が初乳給与、哺乳管理、飼養管理を行なっています。妻は、とても「愛情深く」子牛達を管理してくれています。自分達の農場の牛達を愛することが良い管理につながると、妻を見ていると実感します。

 この『愛情』とは、牛達への好意、恩恵への感謝、将来への期待などさまざまな感情が合わさったものだと思います。
 「愛情」があれば、注意深く観察できるので、子牛達の日々の変化に気づくことができます。子牛達の管理は、変化にきづき、素早く対応できるかが重要です。

 規模に関係なく、1頭1頭を丁寧に観察、管理することが求められます。うちは、管理しやすい年間60頭くらいが分娩する農場ですが、実家は年間300頭くらいが分娩する大規模農場でした。

 実家では、私が分娩、初乳、哺乳を担当していました。頭数が多ければ大変ですが、丁寧に作業していると自然と1頭1頭個別管理をしていました。「愛情」を持って良い管理をしようと思うと、結局は個別管理になると思います。

 「愛情」を持って、子牛への初乳給与、哺乳管理をしていても、うまくいかないときは、子牛への給与管理を見直すことよりも、まずは分娩前の母牛、胎子の管理を見直してみると良いと思います。

妻が管理しやすいように子牛を作る

 私は、妻が初乳給与、哺乳管理、飼養管理をスムーズに計画どおりに行なえるようするために、担当している分娩前の母牛、胎子の管理を、妻へ「元気で強い子牛」を提供するための期間だと思って管理しています。

 私が、手がける胎子によって、妻の子牛達の管理の手間や時間、考えや悩みが減ったり増えたりすることを自覚し、責任を持って観察、管理にチカラを入れています。

 一般的な「哺乳期」の管理として、初乳給与、哺乳管理は重要です。

 しかし、私個人はそれ以上に、早い段階からの飼養管理が良い胃腸作りに最重要だと考えています。なので、「哺乳期」より「哺育期」という言葉が広まれば、哺乳管理だけでなく、早い段階からの飼養管理への取り組みが増えるのではないかと思っています。

 次回は、生後3カ月までの管理が10歳まで影響すると考える、「哺育期」の飼養管理を紹介します。

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PROFILE/ 筆者プロフィール

水本 康洋

水本 康洋

1983年、別海町の酪農家生まれ。
北海道立農業大学校卒で、帯広市の酪農ヘルパーを経て、実家に就農。
その後、実家を離れ、浜中町にて研修後、2016年4月に新規就農し、現在に至る。

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