11月1日、北海道帯広市にて「十勝酪農女性プチサミット2024」が開催されました。本会は昨年に引き続き2回目で、十勝管内の酪農生産者を中心に関係者や企業など、多くの来場者で賑わいました! その様子をお伝えします。
開会に際して、実行委員長の椛木円佳さん(広尾町・酪農家)から「日頃私達の酪農生産は、多くの団体様や企業様に支えられて実現しており、このような機会に改めて感謝したい。酪農に関わっている皆さんがともに学び、交流することで、明日のエネルギーにつなげていただけたら嬉しい」と挨拶がありました。
基調講演では、2024年に小説「ともぐい」で直木賞を受賞した河崎秋子さんが「しなやかさによって作られる農業」と題した講演を行ないました。
河崎さんは別海町の酪農家出身であり、自身も酪農業に従事する傍ら緬羊を飼養する経験をお持ちの方で、現在は十勝管内に居住し執筆活動をされています。
河崎さんのニュージーランド緬羊農家での就職経験から、日本とニュージーランドの酪農畜産業の考え方の違いや、少ない人口ながら乳製品や畜産物の高い国際競争力を誇るニュージーランドの酪農ビジネス感などを紹介し、またそこで「同じ酪農でも考え方がまるで違う経営があり、そのように違う考え方が存在することを理解したうえで仕事をすることが、今とても活きている」と、海外での就職経験を持ったことの大きさを伝えました。
また実家の牧場でチーズ生産・販売を行なった経験から「自身で生産した食べ物を多くの人に美味しく食べてもらう」ことが、充実感や営農の活力につながることを紹介。そうした経験が現在の執筆活動にも活かされ、人生が充実すると講演しました。
会には数々の企業ブースが集まり、主に十勝で活躍する仲間達との良い交流の場となりました。
午後は広尾町の酪農女性のグループ「豊栄会」による広尾町酪農音頭を参加者全員で踊り、会場は踊りと笑いにつつまれました!
酪農女性によるパネルディスカッションでは、「モチベーションアップ講座~私らしい酪農ライフ~」というテーマで3名のパネリストによるスピーチ・ディスカッションが行なわれました。
パネリストは大友亜弥さん(大友牧場・芽室町)、髙木亜里彩さん(髙木牧場・上士幌町)、河口晶子さん(河口牧場・大樹町)の3名。それぞれに共通する事柄として「似た環境で頑張る仲間の存在が、自身のモチベーションにつながる」ということでした。自身の農場の外にある団体や活動に参加してみることで、新しいつながりや学びの機会となり、より充実した酪農と暮らしを送ることができるということでした。
今年も会は大盛況でした。来年も楽しみにしております!
PROFILE/ 筆者プロフィール
前田 真之介Shinnosuke Maeda
Dairy Japan編集部・北海道駐在。北海道内の魅力的な人・場所・牛・取り組みを求めて取材し、皆さんが前向きになれる情報共有をするべく活動しています。
取材の道中に美味しいアイスと絶景を探すのが好きです。
趣味はものづくりと外遊び。