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乳牛におけるセレンの役割とは?

PICK UP 2024.08.08

乳牛におけるセレンの役割とは?
適切な体細胞数と受胎率、感染症に対する抵抗性を維持するために

セレンとは?

セレンは乳牛を含む動物の必須微量ミネラルであり、生体内では約25種類のセレン含有蛋白質がさまざまな機能を担っています。例えば、グルタチオンペルオキシダーゼやチオレドキシンレダクターゼは、牛を酸化ストレスから守るための重要な抗酸化酵素です。またヨードチロニン脱ヨウ素化酵素は、甲状腺ホルモンの活性化に関わっています。

セレン不足が農場の経済性に及ぼす悪影響

セレンは牛の必須ミネラルであるため、欠乏した場合には牛の健康に負の影響が及びます。欠乏症として白筋症や胎盤停滞などが知られているとともに、不足の程度によって乳質の悪化や受胎率の低下、感染症に対する抵抗性の低下が見られます。乳房炎とセレンの関係としては、血清中のセレン濃度が高くなるにつれて潜在性乳房炎の発生率が低くなることが報告されています。

日本は全国的に土壌中のセレン濃度が低く、そのため自給飼料を多く給与している場合はセレン不足に注意が必要です。日本の牧草中のセレン含量を調査した結果では、ほとんどが0.05ppm以下の欠乏値であり、0.1ppm以上を示したのはほんの数カ所であったことが報告されています。

牛のセレン要求量を満たすには

飼料中のセレン含量が不足している場合、牛の要求量を満たすためにセレンを補給する必要があります。ラレマンドバイオテック株式会社では、飼料給与できるセレン源として、アルコセルというセレン含有酵母を提供しています。アルコセル中に含まれるセレンはすべてアミノ酸など有機の形で存在しており、牛の吸収・利用性に優れています。

ラレマンド社では厳格な品質管理に基づいてアルコセルを製造しています。そしてその証明として、製造バッチごとに総セレン含量とセレン含有アミノ酸であるセレノメチオニン含量を分析し、その試験成績書を提供しています。セレノメチオニンはセレン含有酵母の培養状態を測るうえで重要なパラメーターの一つです。アルコセルでは、酵母に取り込まれたセレンのうち、セレノメチオニンとして存在するセレンの割合が63%以上であることが保証されています。

セレンは要求量と中毒量の幅が狭いことが知られています。セレン含有酵母を給与する際は農林水産省が定めている推奨給与量を守ってください(配合飼料の場合はセレンとして0.3ppmが限度。混合飼料の場合はセレンとして10ppm、最終飼料で0.3ppmが限度)。

おわりに

地球温暖化を超えて地球沸騰化という言葉が生まれた昨今、乳牛が夏季に受ける暑熱ストレスは厳しさを増しています。また品種改良によって生産成績が向上するにつれて、乳牛が産生する活性酸素種の量は増加しています。乳牛のセレン要求量は確実に充足させるようにし、体内の抗酸化防御機構を保つことによって農場の経済性を守りましょう。

セレン含有酵母アルコセルを動物に給与する目的についてもっと知りたい場合は、こちらの動画をご覧ください(日本語字幕付き)。↓

商品に関するお問い合わせはラレマンドバイオテック株式会社ホームページより。

PROFILE/ 企業プロフィール

ラレマンドバイオテック株式会社

ラレマンドバイオテック株式会社

ラレマンド社は、19世紀の終わりにカナダで設立されたグローバル企業です。酵母や細菌などの微生物製品を提供し、現在その事業は世界40か国以上で展開されています。ラレマンドバイオテック株式会社は、日本における動物栄養事業を担い、反芻動物用の生きた酵母「レブセルSC」やサイレージ用乳酸菌「マグニバ」などを取り扱っています。

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